ムーディーズ南アフリカの格付けを据え置くものの、見通しはネガティブヘ変更。ところで格付け会社とは?

ムーディーズ格付け発表

本日格付け会社ムーディーズによる南アフリカの格付けの発表があり

格付け Baa3に据え置き

見通し 安定的からネガティブへと変更

となりました。

格付け自体は危惧されていたジャンク債への変更はなしでしたね。

 

ムーディーズの原文を読んでみると、見通しを引き下げた理由について書かれていました。

南アフリカは高い失業率や所得の不平等といった構造的問題を有しており、

経済成長を維持しつつそれらの問題の対処するためにも財政支出が大きく必要となるため、財政赤字を抑えるのは難しいのではないかといった内容のことが書かれています。

 

月曜に南アフリカランドがどう反応するかは難しいところですね。ジャンク債への変更を避けられたということで、大きな下窓が開くことはなさそうですが、見通しの変更がやはり重しとなりそうですかね。

 

ところで格付け会社とは

その名の通り企業や政府、金融商品などの信用力についての格付けを第三者の立場から発表する会社のことです。

投資家の投資判断を助ける有用な情報を提供する役割を担っています。

アメリカのムーディーズやスタンダード アンド プアーズが有名ですね。日本でも、日本公社債研究所、日本格付研究所、格付投資情報センターがあります。

 

格付けには2種類あります。

「依頼格付け」

企業から依頼されてその企業の財政、経営状態などを綿密に調査し、発行している社債などの金融商品の信用度について発表します。

「勝手格付け」

政府の場合は政府から依頼なく勝手に格付けを行っているので、勝手格付けと呼ばれています。

 

「依頼格付け」の場合は、依頼者からフィーを頂く関係にある格付け会社が忖度せずに正確に調査して依頼者の格付けを発表できるのかという問題が生じます。

利益相反の関係になるわけですね。

過去にもサブプライムローンや不正会計から破綻したエンロンに高い格付けを付与していたことから、格付け会社のビジネスモデルはどうなんだという声も上がっているようですね。。。

 

高い格付けの企業が優良企業とは限らない

格付けはあくまで信用力について調査した内容を発表したものです。

金融商品の発行体の財務の健全性、安全性については参考となる指標ですが、収益性や成長力についての情報ではないのでその点は気を付けたいですね。

 

内部留保を投資に回さずに安全に現金で保有しておこうというスタンスの企業なんかが高い格付けになってしまうということになるわけですね。

ですので、どちらかというと株式の投資判断よりも債券の投資判断に適している情報であると言えると思います。