今週の相場の注目ポイント(米国とイランの対立、米中貿易協議の第1段階の合意署名など)

先週の振り返り

米軍によるイランのソレイマニ司令官の殺害の報復として、先週8日にイランが米軍基地にミサイル攻撃したことから大きくリスクオフとなりました。

その後米軍に死者が出ていないことが明らかとなり、また要人発言などを受けて米国とイランの大規模な軍事衝突にはつながらないとの見方から、株式市場、為替市場ともに大きくリバウンドする形となりました

 

また週末の雇用統計は

非農業部門雇用者数+14.5万人(予想+16.0万人)

失業率3.5%(予想3.5%)

平均時給(前月比/前年同月日)+0.1%/+2.9%(予想+0.3%/+3.1%)

という数値が発表されました。

少し弱い目の数値でしたので、月初発表のISM製造業景況感指数が悪かったことなども相まって、少しドル買いの勢いも弱まり週末を迎えました。

 

米国とイランの対立

一旦大規模軍事衝突は避けられるという見方が強まっていますが、米国はイランへの経済制裁を強めたこともあり、以前として予断を許さない状況は続いています。

ロシアと中国とイランは昨年末にインド洋で共同軍事演習を行っており、中国とロシアはイラン支持を表明しています。複数国での対立につながっていくと、第2次湾岸戦争といったシナリオも最悪考えられるようになります。

またこんなニュースも入ってきています。

イラン、一転して認めるーウクライナ旅客機を誤って撃墜 - Bloomberg

当初は技術的ミスとしていたのですが、敵対的標的と誤って撃墜したと認めたとのことです。

13日には対イラン政策に関して米国のペンス副大統領による演説が予定されています。

 

米中貿易協議の第1段階合意の署名

1月15日に予定されています。

トランプ大統領は9日のテレビインタビューで

「1月15日に合意に署名する予定だ。1月15日になると思うが、ちょっと後かもしれない。でも1月15日だと思う。中国とのビッグディールだ。」と語ったそうです。

署名されたところで好材料出尽くしとなるのか、それとも第2段階以降の合意への前向きなムードを醸し出せば、さらなるリスクオンもあり得るのかなというところです。

 

その他

トランプ大統領の弾劾問題

ペロシ米下院議長が大統領弾劾条項を上院に向け送付する準備を行う方針と明らかにしました。

オーストラリアの森林火災の影響

経済への影響も深刻ということで、豪準備銀行は2月に利下げを行うのではないかとの思惑も強まってきているようです。

ポンド

7-9日の英議会でブレグジット後の移行期間を2020年末以降に延長することを禁止する内容を含む法案が可決されました。

今から今年の年末までの短期間で英国とEUとの間で幅広い分野にかかわる自由貿易協定(FTA)が結べるのか難しいところではあります。