直近のドル安トレンドについて

直近の強いドル安トレンドについて原因として考えられることについて簡単にまとめましたので、以下読んでいただけますと幸いです。

 

FRBの無制限量的緩和

まず第1にこの政策ですね。

3月に発表され、その後ジャンク債と言われる投資不適格とされる社債なんかもFRBは買い入れるようになりました。

いわゆる米ドルをジャブジャブにする政策です。

過去に日銀の量的緩和政策によってドル円相場が125円まで円安方向に進行したことを考えると、安易に量的緩和に逆らうのは危険でしたかね。

ドル安方向への強いファンダメンタルの材料となっています。

 

資金の現金化によるドル需要の動き、の逆回転

3月のコロナショック真っただ中の時、過度のリスクオフで株も債券も原油もゴールドも全て売られて、現金のドルに換金するという資金の流れが見られました。

ドル需要の高まりということでドルが大きく買われ、ドルインデックスは節目の100を超え、ドル円にしても3月のあのリスクオフ相場の中111円台まで上昇しました。

記憶に新しいですね。

 

ただ直近は株価が大きく回復していることで、資金の現金化によるドル需要が後退しています。そのことによって為替市場ではドル安トレンドが発生しています。

 

また、株価の回復要因として考えらえるのは以下の材料です。

・世界各国の中央銀行が大規模な金融緩和策を行っていることによる緩和マネーによる株買い

・経済活動再開期待

・ワクチン開発期待

原油価格の回復

ポジションの偏り

ドル円に関してはドル売りと円売りでもみ合い、動きがでにくかったため、ドルストレートに着目してみましょう。

下の写真は6月2日のYJFXさんのサイトからの転載になりますが

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ショートポジション(ユーロやポンドを売り米ドルを買うポジション)の比率が

ユーロドル79%

ポンドドル77%

となっています。

 

為替相場はマーケットのポジションが大きく偏ると、そのポジションを損切させるべく、逆方向に強いトレンドが発生しやすい傾向があります。

ショートポジションを切らすべく、ユーロドル、ポンドドルは上昇しました。

ユーロドル、ポンドドルという為替市場全体でみても取引量の多い通貨ペアでこういったポジションの偏りが発生したことで、

強いドル安トレンドが生じやすい状況であったと言えます。