イールドカーブコントロールとは(FOMCを控えて)

イールドカーブとは

イールド:利回り

カーブ:曲線

ということで、言葉通り

国債の利回りを短期のものから、長期のものへのグラフにしたものです。

参考図

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出所:ピクテ投資顧問株式会社

 

このイールドカーブ曲線が

右肩上がりの状態:順イールド

右肩下がりの状態:逆イールド

と言います。

通常は順イールド(右肩上がり)の状態のことが多く、

逆イールド(右肩下がり)の状態は景気後退のシグナルだと言われています。

米中貿易摩擦が強まっていた去年の8月に逆イールドカーブが発生していたので、今年のコロナショックの予兆だったのかもしれませんね。

 

またカーブの

傾きが大きくなっている状態:スティープ化

傾きが小さく、なだらかな状態:フラット化

と言います。

 

現在の米国債イールドカーブは順イールドかつスティープ化

現在の米国債の利回りは6月10日時点で

1年物:0.17%

10年物:0.82%

30年物:1.58%

償還期限が長期の国債になるにつれて、利回りが大きくなってきています。

イールドカーブは右肩上がりの順イールドの状態で、カーブの傾きも大きくスティープ化しています。

 

 

ティープ化の原因

国債の利回りも需要と供給で決定されます。

国債の供給量に対して、

国債を買う人が多くなれば、利回りは下がります。

国債を買う人が少なければ、利回りは上がります。

 

現状、コロナショックを経て株価が大きくリバウンドしてることからも見受けられるように、マーケットは将来の景気に対して強気の状態なんですよね。意外にも。

そのため、何十年も安全資産の国債保有していようという人が多くないんですよね。

 

一方でアメリカ政府はコロナ後の景気対策の財源として、大量の国債を発行しています。

 

結果として、国債の供給量に対して、長期の国債の買い手が少なくなり、利回りが上がっています。

 

FRBイールドカーブコントロールでスティープ化を抑えようとしているのでは

FRBがスティープ化を抑え、フラットに近づけるためにイールドカーブコントロールを行うのではないかとの見方が強まってきています。

具体的にはFRB国債の買い手となることで、国債の利回りを抑える政策となります。

FRBによる国債の買い入れですので、量的緩和の1種であり、強いドル売りの材料となります。

今週ドル円が109円台から107円台まで下落しているのも、イールドカーブコントロールを意識したドル売りによるものと言われていますね。

 

今夜のFOMCで、この政策が決定されるのか否か注目ですね。